今から約八百年前の鎌倉時代、中国から正伝の仏法を日本に伝えた道元禅師により、曹洞宗は築かれました。
お釈迦さまは、29歳の時に不自由のない生活をすてて出家の道へ入られ、6年にわたる苦行の後、欲望に任せた生活でも、命を失いかねない苦行でもない「ちょうどいい張り具合」にこそ本当の安らぎがあるのだ、と感じられたお釈迦さまは、苦行を離れ、身体を癒し、菩提樹の木のもとで坐禅に入り、一週間の後、12月8日の朝、明星を見て仏道を成就されたと伝えられています。
曹洞宗の教えの根幹は坐禅にありますが、それは、お釈迦さまが坐禅の修行に精進され、悟りを開かれたことに由来するものです。
教えの根幹である「坐禅」について、道元禅師がしるされた「 普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)」という書物の中で、『 坐禅をすること、それ自体が悟りである。』と示されています。
「 只管打坐(しかんたざ)」ただひたすら坐ること。
『 何かの手段ではなく、坐禅する姿、そのものが仏の姿。』
『 思惑にとらわれず物事の真の姿を見極め、正しくこころの働きを調えること。』
さらに、坐禅だけでなく、全ての日常行為を坐禅と同じこころで勤めることの大切さが説かれています。
「仏道をならうというは、自己をならうなり。」
この言葉を肝に銘じ、共に日々を大切に過ごしたいものです。